みなさん、家でくつろいでいる時に予期せぬ訪問者が来るときはどう対処しているだろうか?
僕が一人暮らしを始めたばかりの頃、訪問者はアポ無しでもひとまずインターホン越しに対応することにしていた。
そして数年後の現在、アポ無しで訪問してきた人はまず顔を覚えるだけにしている。あんまり何度も来るようなら対応する。
なぜ僕の対応は変わったのか?
訪問客への対応が変わったのは、家に光回線の営業が来たことがキッカケだ。
はじめはアポ無し訪問者にも快く対応していた僕
そもそも一人暮らしを始めたばかりの頃、なぜアポ無しでも訪問者に対して対応していたのか。
それは過去にやっていた、一般家庭にピンポンして工事の許可をとる尖兵みたいな仕事をしていたことが関係している。
「どうしてもこの家の許可が必要だ」という、そんな時にインターホンを押しても出てくれない家というのは何件もある。
その仕事では、2週間の間に口頭で許可が取れない場合は「この日に工事するから文句があったら電話ちょうだいね。」と書いてあるチラシを入れる。それでも電話連絡が無ければ、もう実際に家まで行かなくても良いというルールがあった。
逆に言えば、2週間の間は許可が取れるまで何度も家まで行って、インターホンのボタンを押す。
時にはペチャクチャ話し声が聞こえていたのに、インターホンが鳴った途端しーんとなって僕がいなくなるまで気配を消す家があったり、家の中にいるのが僕から見えている(あっちからも僕のこと見えてる)のに何度インターホンを押しても知らんぷりする家もあって全然出てくれない。
この仕事をする上で、こんなことは日常茶飯事だった。だが、インターホンを押す時はいつも 「家に誰か居てくれ!そして出てきてくれ~」 と念じていた。
まぁ、そんなわけで突然の訪問者でも僕は対応していたわけだ。きっと、その人にも家を訪ねないといけない理由がある。
そう思っていた。
光回線の営業は巧妙に身分を偽装していた
僕が一人暮らしをはじめて半年ほど経った頃、あれは休日で家でゆっくり過ごしている時だった。
「今日は昼に寿司でも食べに行っちゃいますか!?」などと彼女(現妻)と盛り上がっている中、インターホンが鳴った。
モニターに映っているのは、見たことのないスーツ姿の男性だ。僕はそのまま通話ボタンを押して対応を開始。
はい、なんでしょうか?
こちらのアパートの光回線設備を新しくしましたので、ご説明させて頂ければと思いまして!よろしいでしょうか!?
あぁ、はい。いいですよ。
僕は深く考えず「アパートの設備担当者かな?」と思い、玄関の扉を開けて直接対応することにした。
ありがとうございます!それでは説明させて頂きますね!まず家にあるモデム、光回線が繋がっている黒い箱を新しいものに交換して頂きたいんですが!
え?なんでですか?
新しい光回線を使うのに必要なんですよ。それで今あなたが契約している光回線を一度解約して頂いてですね…
ふぁっ!????
ちなみに簡潔に会話を書いているが、実際はもっと長々と上記の会話は展開されている。
とにかく、この訪問者の言いたいことを要約すると「いま契約している光回線を解約してから、オレの紹介する光回線と交換しなよ」ってことだ。
それって…
あの…新しい設備の説明っていうか、これって営業ですよね?
はい、そうです!
あっさり!いやしかしコイツ!まるで営業じゃないみたいな話の始め方しやがって!!勘違いするわ!!
これが最初から営業だとわかっていれば相手になどしなかった。だが、相手が巧妙に営業だと悟らせずに僕を玄関前まで引きずり出したのだ。おそろしっ!
それからも長々とセールストークを展開されて、2時間弱ほど時間を取られ、昼飯の時間を大幅に過ぎて彼女から大目玉をくらった。
アポ無し訪問者に対してどのような対応をすべきなのか?
この経験を糧に、訪問者に対して考えたルールがこれだ。
- アポ無し訪問者は、まず対応しない
- 1度目の訪問で投函物があるかどうか確認、無いならその後も無視
- 訪問する理由が判明し、対応する必要があると判断した時のみ対応する
投函物があるかどうかで判断する点は、やはり自分が過去やっていた仕事が影響している。どうしても訪問が必要な人間は、来た理由を残す。そして何度も来るはずだ。
訪問営業をしにくる人たちは、自分の経験だけで言えば投函物は入れられた事はない。
このルールに沿って動いてから、不用意に時間を取られることは激減した。
もちろん、上記の対応策だけでは対応できないことも出てくるだろうが、そのたびに対応策を更新していくしかない。
その後、また別の光回線営業が来た

例の訪問営業から数年経って、またアポ無し訪問者が来た。その訪問者は投函は無いが、今日すでに2回訪問してきている。
なんか気が向いたので対応することにして、玄関前まで行く。
なんですか?
はい!今度この住居で使える光回線が増えましてですね…
…これって、営業?
……はい
そう…営業は間に合ってますんで!
バタン、ガチャ!扉を閉めてトークは終了した。
同様の営業内容だったので、上手く対処できて嬉しい。
しかし、油断は禁物である。
世の中にはどんどん新しい手法が産まれている。 さっきも書いたが、今までの対応策だけでは対応できないことも出てくるだろう。そのたびに対応策を更新していくしかない。
だが、今は数秒で営業を倒せたことを喜び小躍りしても良いと思う。